
サティ没後100年記念
1840年代のプレイエルとエラールによる ソロと2台ピアノのコンサート
■日程:2025年11月30日(日)
■時間:開場 13:30 開演 14:00
■場所:タカギクラヴィア 松濤サロン (渋谷区松濤1-26-4)
■料金:5,000円 50席限定(全席自由 1ドリンク付き)
■使用ピアノ

◆プレイエル 製造番号 No.10456 CからGまでの80鍵
1843年7月完成、ベルサイユのエピネイ子爵が購入。
2018年、第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール認定楽器。
フォルテピアノは構造的に華奢なため、コンサートコンディションで現存する楽器は少ないが、このNo.10456はほぼオリジナル状態を保つ貴重な楽器である。古典的なウィーン式を改良したシングルアクションは単純な構造のため、繊細な表現を伝えやすい。また鍵盤が軽く柔らかい音色を持ち、ピアニシモでの音色の変化が美しい。

◆エラール 製造番号 No.15179 CからGまでの80鍵
1841年8月完成、レンヌのラングロア夫人が購入。
イギリス式をさらに発展させた「ダブル・エスケープメント方式」アクションの使用により、同音連打やピアノ表現の多様さなど演奏テクニックが飛躍的に進化した。また弦の下から音を止める「アンダー・ダンパー・システム」を考案、余計な和音の濁りがなく、ノン・レガートで軽やかな表現が可能となる。しかし革新的で複雑な構造はメンテナンスも難しく、アクションにトラブルが発生すると、その修正に時間を要しコンサートに支障をきたすこともあった。
■プログラム(変更になる可能性がございます)
サティ:ワルツ・バレエ、幻想的ワルツ(青柳ソロ)
ショパン:子犬のワルツ、ノクターン Op.15-2(佐藤ソロ)
サティ:5つのノクチュルヌ(高橋ソロ)
クレメンティ: 2台ピアノのソナタ Op.1 bis(佐藤・青柳)
タイユフェール:野外遊戯(高橋・青柳)
ショパン:葬送行進曲(佐藤ソロ)
サティ:干からびた胎児(高橋ソロ)
クレメンティ:ソナチネ Op.36-1(佐藤ソロ)
サティ:官僚的なソナチネ(青柳ソロ)
クレメンティ :2台ピアノのソナタ Op.12(青柳・佐藤)
サティ=ケージ:ソクラテス(青柳・高橋)
■チケット
チケットは【SHOPPING】 から、ご購入いただけます。
基本的に《当日精算》のみ、事前のチケット発送はございません。
お問い合わせはタカギクラヴィアまで tel.03-3770-9611
■プロフィール
●青柳いづみこ
ピアニスト・文筆家。 安川加壽子、ピエール・バルビゼの両氏に師事。フランス国立マルセイユ音楽院首席卒業、東京藝術大学大学院博士課程修了。執筆と演奏を兼ねる稀有な存在として注目を集め、書籍は35点、CDは26枚。そのうち21枚が『レコード芸術』特選盤となる他、文化庁芸術祭賞、吉田秀和賞、講談社エッセイ賞など受賞多数。2025 年にはサティ没後100年を記念して『サティとドビュッシー 先駆者はどちらか』(春秋社)を刊行、高橋悠治とのコラボレーションでCD『逃げ出させる歌』(ALM)をリリース。古い楽器によるレコーディングにも積極的で、1887年製”ローズウッド”による『やさしい訴え』(ALM)、『仮面のある風景』(TKI)、1900年製スタインウェイによる『大田黒元雄のピアノ』、1925年ベヒシュタインE型 による『ドビュッシーの夢』、1927年製エラールによる『昔の歌』(以上ALM)がある。日本演奏連盟、日本ショパン協会理事。大阪音楽大学名誉教授。2021年より兵庫県養父市芸術監督。https://ondine-i.net
●高橋 悠治
1938年生まれ。柴田南雄、小倉朗、ヤニス・クセナキスに学ぶ。1963〜66年フランス、ドイツで現代音楽のピアニストとして活動、1966〜71年アメリカで演奏活動とコンピューター音楽の研究。1972年に帰国し、74〜76年武満徹らと共に作曲家グループ「トランソニック」を組織して季刊誌を編集。1978〜85年「水牛楽団」で世界の抵抗歌をアレンジ・演奏、1980〜87年月刊ミニコミ『水牛通信』発行。著書として平凡社から『高橋悠治/コレクション1970年代』『音の静寂 静寂の音』、みすず書房から『きっかけの音楽』『カフカノート』などが刊行されている。http://www.suigyu.com/yuji/
●佐藤元洋
東京音楽コンクール第2位、仙台国際音楽コンクール第4位、ベルリン国際音楽コンクール銀メダル、ほか入賞多数。国内外各地でのリサイタルのほか、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団等と共演を重ねる。東京藝術大学を卒業後、ベルリン芸術大学にてビョルン・レーマン氏のもとで研鑽を積み、現在ドイツ国家演奏家資格課程に在籍。東京藝術大学にて後進の指導にもあたる。